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印南敦史『遅読家のための読書術』レビュー

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こんにちわ、書評家のスミスです。

僕は本が好きで去年からこのブログでちょいちょい本を紹介させてもらってるのですが、もともと読むスピードが速くないことに加えて、子どもが生まれてからは独身時代に比べて読書の時間を確保するのが難しくなり、1冊を読むのに数週間、ひどい時は1ヶ月かかるようになってきてしまい、どうしたもんかと悩んでいました。

スミス

こうなるともはや最初に読んでた内容なんて覚えてないよね・・。

最近では本を読みたくて読むというよりもなんとなく「読まなきゃいけない!」っていう義務感に変わってきてしまい、こうなると本を読むこと自体を純粋に楽しめなくなってきてしまいます。

そんな時に本書に出会い衝撃を受けました。

大切なのは 、その本を読んだ結果として 、知識や発見のひとかけらが頭の中に残ること 。ほんの断片でもいいのです 。なにか印象的なことが 1つでも残ったなら 、その読書は成功したと考えるべきです 。 「全部残さず取り込んでやろう 」と欲張らない

印南敦史『遅読家のための読書術』

1冊の本を 1週間かけて熟読しても 、 1カ月後には 「 1 % 」しか残らないのだとしましょう 。だとしたら 、同じ 1週間で 1 0冊の本をすばやく読んで 、 1年後に 「 1 0 % 」を得たほうがいいと思いませんか ?

印南敦史『遅読家のための読書術』

僕はこれまで「読むからには書いてある内容を余すことなく全部記憶しないともったいない!」と思っていました。

でも、本書に書いてあるように1冊から100%を得ようとして結果なにも残らないよりも、10冊から1%ずつ合計10%得る方が効率がいいのは明らかです。

スミス

肩肘張らなくてよくなった分、気軽に本を読めるようになるしね。

本書は10冊から1%ずつ得る方法として『フロー・リーディング』という読み方を提唱しています。

そこで今回は『フロー・リーディング』をメインに印南敦史さんの『遅読家のための読書術』を紹介させてもらいます。

フロー・リーディングとは

「フロ ー ( f l o w ) 」とは 「流れる 」という意味の英語です 。簡単にいえば 、フロ ー・リーディングとは 、「その本に書かれた内容が 、自分の内部を 〝流れていく 〟ことに価値を見出す読書法 」です 。

印南敦史『遅読家のための読書術』

例えば、なにかをしながら音楽を聴いている時、聴き流している中にも自分の中に残るメロディーや歌詞があるように、読書も書かれている内容が自分の中を流れていった結果、知識や発見が少しでも残っていればいいというのがフロー・リーディングの考え方です。

なぜフロー・リーディングがいいのか

フロー・リーディングの反対としてストック型の読書があります。ストック型の読書とは、本に書かれた内容を頭の中にストックすることに重きを置いた読み方です。

スミス

僕もそうだったけど、多くの人がストック型の読書をしてるんじゃないかな。

ではなぜ著者はストック型の読書じゃなく、フロー・リーディングを勧めるのでしょうか。

その理由の一つに積読つんどくがあります。

積読とは『買った本を読まずに積んだままの状態にすること』ですが、ストック型の読書は本の内容を残さず吸収しようと思うがあまり、積読になりやすい傾向があります。

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積読の厄介なところは積んだ本の数が増えれば増えるほど本に対する罪悪感も増えていくことです。

本に対する罪悪感が増えると興味がある本に出会っても「まだ家に読んでない本が山積みになってるしな・・」と買うこと自体をやめてしまいます。

スミス

せっかく興味がある本に出会ったのにもったいないよね。

当然のことですが、本は積んでおくよりもどんどん読んで次に進むに越したことはありません。

なので、『とりあえず一通り読んで自分の頭に本の内容を流し込んじゃおう』というフロー・リーディングの考え方は忙しい現代人に合っていると言えます。

フロー・リーディングのポイント

ではフロー・リーディングってどうやってやるのか、本書では以下の3つに分けて解説されています。

  • 読書の習慣をつくる
  • 読書体験をストックする
  • 速く読むためのテクニックを知る

今回は個人的に参考になった『読書体験をストックする』方法について少し紹介させてもらいます。

読書体験をストックする

『読書体験をストックする』とは簡単に言うと本の内容でいいなと思ったことを書き出すことです。

なぜ本の内容を書き出すのかというと、著者には『本を読むことは呼吸をすることと同じ』という考えがあるからです。

息を吸い続けると一定のところでそれ以上吸えなくなり自然に息を吐き出すように、情報も一定のところまで溜め込んだら吐き出さないと新しくインプットすることができなくなります。

例えば、なにかを学びたくて本を読み始めたとしてもしばらくするとしんどくなってきて本読むのが苦痛になることがあります。理由は様々あると思いますが、一因として情報を溜め込みすぎてる可能性があります。

現代人は普段からスマホで色々な情報を吸収しています。でも情報を頭の外に書き出すことが苦手な人が多いため、溜め込んだ情報を吐き出さずに一日が終わることも珍しくありません。

そのため、『吸い込んだ情報』を『書き出す』ことによって吐き出し、正しい呼吸に戻すことが必要なのです。

スミス

全部吐き出したあとには自然とまた本を読みたくなってるよ

本の内容を書き出す方法

具体的に本の内容を書き出す方法として著者が推奨しているのは以下の3つの方法です。

  1. 1ライン・サンプリング
  2. 1ライン・エッセンス
  3. 1ライン・レビュー

1ライン・サンプリング

『1ライン・サンプリング』とは本を読みながら気になった箇所を数行単位で書き写していく(引用する)ことです。

「ヒップホップや R & B 、電子音楽などに詳しい人はご存知だと思いますが 、こうしたジャンルでは過去に存在した音楽の断片 (サンプル )を組み合わせて新しい曲をつくったりします 。本を読みながら短い引用を書きためていくのは 、まさにサンプリング (断片集め )の作業に近いと思うのです 。」

印南敦史『遅読家のための読書術』

サンプリングは音楽用語で『音楽の断片を組み合わせて新しい曲を作ること』を言いますが、著者は読書にもこのサンプリングを取り入れようと提言しています。

また、『気になった箇所を書き写す』という作業を挟むことによって頭の中で情報を再構築し、より深い読書体験とともに記憶に定着させる効果が期待できます。

1ライン・エッセンス

『1ライン・エッセンス』とは、1ライン・サンプリングで書き写した引用の中でもっとも素晴らしいと思った引用を選ぶことです。

本を読みながら引用リストをつくり、読了したあとに再び目を通したら、その中から「もっとも素晴らしいと思った引用を」を1つだけ選ぶようにしましょう。「自分がこの本を読んだ価値のすべては、この1行に集約されている」といえるような部分です。

印南敦史『遅読家のための読書術』

1ライン・エッセンスをすることによって読書に対する苦痛をかき消す効果が期待できます。

読書を「面倒くさい」とか「苦痛だ」と考えるのは、「そこに書かれている文字列をすべて目で追い、かつ、内容を咀嚼しなければ『読んだ』とはいえない」という思い込みがあるからです。読書が作業になってしまっているということだと思います。しかし、「1行」を探しながら読むようにすると、そこには冒険しかありません。

印南敦史『遅読家のための読書術』

読みたい本はたくさんあるのに、ちゃんと読もうとするがあまり結果的に読書が苦痛に感じてしまうなんてもったいない以外の何者でもありません。そんな時は珠玉の一行を探しながら読むと宝探しのようにワクワクしながら読むことができるかもしれません。

1ライン・レビュー

1ライン・レビューとは、1ライン・エッセンスで選んだ引用について『なぜこの引用を選んだのか』をメモすることです。

選んだ理由は人によってさまざまだと思いますが、例えばその一文に感動した人は感動した理由を、仕事に活かせそうだなと思った人は活かせそうだと思った理由を簡単なメモとして書き記しておきます。

本を読んだ直後には当然、「なぜその箇所がすばらしいと思ったのか?」を覚えていますが、時間が経つと心が動いた理由を忘れてしまいます。こうなってしまっては、引用の意味もいずれ消えてしまいます。そうならないよう、感動した「理由」も一緒に書き留めておくのです。

印南敦史『遅読家のための読書術』

人は時間の経過とともにあらゆることを忘れていきます。でも本当に重要だと思った情報はなかなか忘れないように、読書において重要だと思った箇所も頭に「重要だぞ」と認識させる必要があります。

頭に重要だと認識させるためには、インプットだけでは足りません。人はアウトプットすることで記憶として定着するからです。だからこそ『書き出す』という作業が重要になってきます。

ちなみに本書では紙に書き出すことを前提にしてますが、例えば僕の場合はブログやTwitterなどで『書き出す』という作業をやるようにしています。そうすることによって誰かから反応があり、いい反応がもらえればそれを励みにまた書いてみようと思えるからです。

読書後記

本を読むことは本来楽しいものです。様々な知識や考え方、自分では想像もつかないような物語を手軽に体験できるからです。

時間が無限にあれば誰もがその楽しみを味わえますが、残念ながら時間には限りがあります。そのため人によって仕事、家事、育児など優先度の高いものから時間を消費していきます。そうなると多くの人は一日が終わった時に本を読む時間まで残っていないことが多いのではないでしょうか。

本書はそんな人に向けて「読書はもっと力を抜いて好きに読んでいいんだよ」と伝えてくれている気がします。本書をキッカケに少しでも多くの人が一冊でも多くの本を読めればいいなと思います。

それでは今回はこのへんで失礼します。

スミス

ご静読ありがとうございました

ABOUT ME
スミス
ビジネス書のレビューをしてる書評家です。たまにオフィスワークに便利なグッズを紹介してます。本業は管理部門勤務。一児の父。無類のチーズケーキ好き。